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タイトル:Shi: Kaidan
推薦者:高木 亮

「アメコミ百物語」というのをご存じだろうか? やり方は簡単である。夏の深夜、数名が一室に集まって、百本のロウソクを灯す。そして、各自が知っているアメコミネタを順番に話し、一つの話を語り終えるたびに、ロウソクを一本ずつ吹き消していくのだ。すると、百本目のロウソクを吹き消した時に、「向上せよ〜〜〜」という雄叫びとともにスタン・リーの生霊が現れるという本当のような嘘の話(…あ、待って、ブラウザの「戻る」ボタンを押さないで)。
夏の夜のお楽しみといえば、花火とか怪談話が定番だろう。最近はスティーブン・キングやD・R・クーンツに代表されるようなスケールの大きいモダンホラー物が人気を誇っているが、やはり日本人としては、岡本綺堂のような昔ながらの日本情緒あふれる(?)怪談話のほうが、より「怖い」と感じるのではないだろうか。残念ながら、最近はサイコホラー物などが主流を占めていて、古き良き怪談にはなかなか巡り会えなくなってしまった。今回紹介するのは、アメリカン・コミックの世界において日本的な怪談を再現しようとした希有な作品『Shi:
Kaidan』である。
ハロウィーンの夜、シことアナ・イシカワは仮装した子供たちにキャンディーを与えながら、子供の頃、イチという名の叔父から聞かされた怪談話を思い出していた(シについては、阿部静さんによる過去のレビューを参照)。
一流の刀鍛冶として羽柴秀吉に認められながら、魔物に魂を売った挙げ句、自らが作り出した刀剣によって殺された鍛冶師マサムラの悲劇…。
仏教とキリスト教の間をゆれ動き、お菊という女性の怨念にとり憑かれて破滅した僧キドの物語…。
天才と呼ばれた浄瑠璃人形師オハツの死後、明らかになった恐るべき秘密…。
幼なじみの友人を妬むあまり、罠にはめて殺してしまった卑怯者の侍イタガキが辿った悲惨な末路…。
『Shi: Kaidan』は主人公が過去に聞かされた怪談話を思い出すという構成をとっており、話によって担当アーティストも違う。『ウサギ・ヨウジンボウ』のスン・サカイや、『カブキ』のデビッド・マックなども参加しており、彼ら以外のエピソードも、決して中途半端な作画ではなく、日本文化について造詣が深いことを窺わせる出来映えとなっているのは見事である。ただ、肝心の怪談としての出来映え(怖いかどうか)と言った点については、やはり無理があると言わざるをえない。怪談というのは、視覚よりも聴覚に限る、と思うのは僕だけだろうか。ちなみにスタン・サカイの『ウサギ・ヨウジンボウ』にも、主人公のミヤモト・ウサギが日本の妖怪と戦うといった怪談話が収録されている(以下の日本語公式ページを参照)。興味のある方は、こちらもどうぞ。
【作品データ】
【作品データ】
Published by Crusade Comics
Written & Art by William Tucci, Stan Sakai, David Mack 他
発売:1996年
関連サイト:Shi: Comics
兎用心棒道場
怪異・日本の七不思議
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過去のレビュー作品
'02.07.15 HEAVY LIQUID
'02.06.29 the Last Temptation
'02.06.17 AMAZING SPIDER-MAN ANNUAL #15
'02.06.2 Superman for the Animals
'02.05.19 THE AMAZING SPIDER-MAN: THE SAGA OF ALIEN COSTUME BLADE II (「TOMB OF DRACURA」45〜53号)
'02.05.3 SPIDER-MAN: THE DEATH OF GWEN STACY
'02.04.26 Amazing Fantasy #16〜18
'02.04.12 ELFQUEST
'02.03.22
Just Imagine
'02.03.8
THE POWER OF IRON MAN
'02.02.28
Batman: No Man's Land
'02.02.08
Breakfast After Noon
'02.01.16
Hellboy: Conqueror Worm,BLOODSTONE
2002年のレビュー
2001年以前レビュー

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